私が派遣社員として就業していた職場での体験です。
隣席の私の上司となったXさん(50代男性)は、ある日課長に書類不備の指摘を受け、席に戻ると小さな声で「畜生!」と言って、拳で1回ドンッと机を叩きました。さぁその瞬間、私のトラウマスイッチがオンになりました。Xさんが机を叩いたのはその1回だけでしたが、それからはいつ何が起こるか分からない怖さで緊張して声をかけることも出来なってしまい、当然そんな状態では仕事も順調とは言えません。もともとその上司は声を荒げる傾向が強く、部内には私を心配して下さる方もいました。

「Xさんにセラピーを受けてもらえたらこんな反応はなくなって、私も皆も仕事がしやすくなるのに。」
私の思考は自然と、その人が変わることによって自分が楽になるだろうというストーリーを描いていました。自分の内の反応だと頭では理解していても怖さが先にたってストーリーから抜け出せません。

そこでマトリックスリインプリンティングを始めると、子供の頃ご近所に住んでいたお友達がお父さんに怒鳴られていたのをそばで聞いていたことが原因になっていました。

感情を解放した後のこと。
ある日気づくと自分の中で変化が起こっていました。
当然、その上司の反応は変わりません。しかし私はその上司が声を荒げても、もう怖いとは思わなくなり、ただ「反応する人」という見方に変わっていました。

面白いもので、「反応する人」というイメージが定着すると、今度はその反応を楽しむようになり、億劫だったミーティングはXさんの反応が見られる密かな楽しみの時間となり、そこでXさんが声を荒げる反応をされていても平気で自分の意見を主張し、別の方から「佐藤さん、あの状況でよく話しかけますね。」と感心されるほどになりました。

そして「反応する人」を楽しみだすと、その奥からXさんの優しさや気遣い、面倒見の良さ、他者との温かみある関わり方、豊かな人間性を見出すことが出来るようになってきて、嫌味だと思っていたことが実は気配りだったと受け止められるようにもなり、Xさんとの会話がどんどん楽しくなって来ました。私が屈託なく接し、楽しんで仕事をしていることはXさんにも伝わり、やがて良き理解者となり、派遣契約の終了をとても残念がって下さいました。

あれほど変わってもらいたいと願ったXさんの反応も、私にはXさんの魅力に感じるようになりました。マトリックスリインプリンティングによって私の投影も大きく変わり、幸せな思い出の一つになりました。

セラピスト情報

氏名:佐藤 純子(さとう じゅんこ)
※現在、マトリックス・リインプリンティング・ジャパンには登録しておりません